NO.16
【空】


雨つぶが一つ
目からポロリ


心に溜まった
みずたまりから

溢れだした
想いのカケラ


どんより黒い
雲を払って

青く広い彼方まで
昇れたらいいのにね


そうすればこんな
ちっぽけな悩みも

消え去ってしまうのに




届くかな?
飛べるかな?




NO.17
【空】
映し出すすべてのものは、流れて遠く見えなくなるけど、僕の影だけはまだ残ってる。

みずたまりには偽物しか映らない。だから僕の影はみずたまりには映らない。

上を見上げ、手を伸ばしてもとどかないけど、地面に寝そべると、僕はそこにいるみたいだ。

離れてても近くにいるみたいだ。
いつも僕を見ていてくれる。
だから僕も見てるんだ。
NO.18
【空】


誰かと共にいる
その安寧は
今にも手を振りそうで



広すぎる自由の海に誰もが
一滴の迷いを
溶かすけれど



溢れて初めて気付く
水溜りに濡れる足元



僕らを抱く
全てを知るような藍蒼は



瞬きの向こう



その
溢れる一滴の色を



映してる



NO.19
【空】
この独房の中で
15年ほど過ごして
病で亡くなった

冷たいコンクリ壁に
刻まれた囚人の
世に出る事の無い詩



彼は窓の無い独房で
どの様にして
外の景色を知ったの
でありましょうか?

彼の詩には時折
独房の外景色が
詩われていた
どうやって?

それは決まって
雨上がりの
雨露に濡れた
美しき世界だった


監守はそれを
知りたくて独房で
数日過ごした

そして知りました
壁の足下の高さに
小さな外気口が
ありまして

そこは雨上がりに
水溜まりができ
水面に映る
真っ青な世界
自由に飛べる
鳥が見えた
NO.20
【空】
森をぬけて
ちいさな水たまりのほとりで
小人たちが わらっていて

虹をかけた